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墜落遺体

墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)墜落遺体―御巣鷹山の日航機123便 (講談社プラスアルファ文庫)
(2001/04)
飯塚 訓

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1985年8月12日に起きた日航機墜落事故の際に遺体の身元確認の責任者として捜査にあたった方による、全遺体の身元が確認されるまでの127日間の記録。
遺体の状態。医師、歯科医師、看護師、警察官、ボランティアの方々が死臭の充満する凄絶な現場で働き続けた様子。遺族への引渡しの様子等が克明に綴られています。

遺体の状態は想像を絶するもので・・。
それなりの覚悟がないと読めない本だと思う。
哀しみが満ちていて、精神的にも、かなりキツイ。。。
でも、これは読むべき本だと思う。
私は、読んで良かったと思った。知ることができて、良かった。そう思う。

幼児の遺体に、涙で「焦点が合わない」と泣きべそをかいてしまった写真担当の警察官。
「僕は泣きません」と、お父さんの遺体の側で唇をかみしめた14歳の少年。
幼児の遺体を抱きしめ、頬擦りし、背中をさすり続けた看護師。
「一本の指でも見たい。夫に触れてみたい」と言った、その妻。
哀しみの大きさに、深さに、心が押しつぶされそうだった・・。
特に子どもの話は本当に辛くて・・。何度も本を閉じた。。。

たとえ遺体がどんな状態でも、蛆を始末し、きれいに洗って、拭いて・・。
傷口を縫合して、復元できるところは復元して・・。
“きれいに、なるべく元の形に近くしてあげたい”
“一日も早く、家族の元に帰してあげたい”
作業に携わった方々のその想いに、胸を打たれた。
人の心の、優しさ、温かさ、美しさ、強さを感じた。

もうそこに命はないとしても、その人はその人であり続ける。
きっと私も諦めない。
指一本、歯牙ひとつでもいい、見つけて連れて帰りたいと願うと思う。
どれほど粉々に千切れても、私の体は愛する人の元へ帰りたいと願うと思う。
遺体を大切にする国に、日本に生まれて良かったと、心から、そう思った。。。

あの夏、作業に携わった全ての人を、私は尊敬します。
この本を書いて下さったことに、感謝します。

死臭が染みこんだ夫に一度も「臭い」と言わず、何時に帰っても必ず晩酌の用意をしてくれたという、著者・飯塚さんの奥様のお話がとても印象的でした。

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